フリーランスのお悩みあるあるとその解消法

フリーランス・個人事業主、どちらも「組織に縛られず食っていく!」というのは魅力的な響きですが、当然いつ仕事がなくなるか分からない、老後はどうしよう、といった悩みがつきものです。

2015年版の小規模企業白書によると、「フリーランス形態で不安や悩みがあるか?」との問いに7割強が「ある」と答えています。

実際、フリーランスの人がどんな悩みを抱えていて、それをどうやって解消しているのか。実態を探ります。

フリーランスのお悩み1 収入の不安定さ

2015年版小規模企業白書によれば、フリーランスの手取り年収は300万円以下が約6割。貯金にいたっては100万円未満が約4割を占めています。

楽観主義的な人でなければ収入の不安とは戦えないものですが、貯金のデータはフリーランスの多くがそういった人である事を暗に示していますね。

ただ、フリーランスでは本当に優秀な人でないと高収入を得る事が難しい実態も明らかになっています。仕事量にもムラがあり、単発の仕事ばかりでは収入の不安定さはどうしてもつきまといます。

勿論、会社員であっても終身雇用が約束されているような時代ではありませんし、公務員が好まれる最大の理由がそこでしょう。

では、フリーランスの方が仕事を安定させるにはどうしているか。

活用されているのが「クラウドワークス」や「ランサーズ」などのクラウドソーシング型サービスです。様々な職種の仕事に募集があり、フリーランスが手の空いた時に単発の仕事をするには非常に手軽なツールとして人気です。

しかし、非常に低単価な案件も多く、これ一本で生活を成り立たせるのは難しいのが現状です。継続的かつ高収入に繋がる案件をゲットできるかどうかは、最終的には「腕」しかありません。個人事業主・フリーランスならば、やはり自身の営業力・スキル・人的ネットワークは欠かせないものでしょう。

また、収入面とは別の不安として、職種によっては新しい人と触れ合う機会が中々無く、人的ネットワークが広がらない方も多いかと思います。在宅ライター、在宅イラストレーターなどがそうですね。

こういった方にオススメしたいのは、フリーランス協会のネットワークの活用です。

フリーランス協会は、直接仕事を斡旋してもらえる場ではありませんが、各種セミナーやイベント等で、同業・他業が集まる機会を継続的に提供しています。

そういった場に積極的に参加し、新しい人脈作りを手助けしてくれるのがフリーランス協会ですので、ネットワークを広げて仕事に繋げていきたい、という方には大変役に立つのではないでしょうか。

関連記事:フリーランス協会とは?

フリーランスのお悩みその2 ヒマが不安 忙しくても不安

本来自由な活動を求めてフリーランスになったというのに、ヒマになったらなったで仕事が無い事への不安が襲ってきます。また、仕事に追われている最中でも次が無くならないよう動かなければなりません。

お金は待っていても降ってこない。能動的に動ける方であってもこういった不安は常につきまとうものなんですね。

そんな不安を上手く解消しているフリーランスの方は、常に複数のクライントと強い信頼関係を作っています。その中から自分のペース配分をしっかりとコントロールし続けていく事が必要です。

それでも、現時点ではヒマな時がどうしても出来てしまうという方は、以下のポイントを考えましょう。

スキルアップの勉強・作業効率を上げるツールを探す時間に充てる

腕が命のフリーランスでは、スキルを高め続けていく事は必須で、どんな職種であれ勉強すべき事は山のようにあります。またスキル向上には直接つながらなくても、仕事の効率化を図る為のツールを探す、といった方法もあります。

空いている時間こそ自分を高めるチャンスと捉えられる人が、フリーランスとして活躍していける人ではないでしょうか。

フリーランス協会が主催するセミナーなどに参加するも良し、ライターであれば「goodyewood」や「keygram」などのツールでアンテナを高めるもヨシ、プログラマーであればこれまでやった事のない言語を勉強するもヨシ。

業種によってスキルを高める手法は様々ですので、常にそういった意識を持っていたいところですね。

クラウドソーシングを活用する

前項で単価が低い案件が多いと書いた「クラウドワークス」「ランサーズ」などのクラウドソーシングサイトですが、勿論そういった案件ばかりではありません。自身のスキルが見合うものならば、継続的な案件を貰える高単価の仕事も中にはあり、そういった仕事を探すのも大事な作業です。

ただ、一つ注意したいのは、ヒマだからといって安請け合いをしない事。

仕事の単価を下げるというのは自分の価値を安売りする事です。仮にそこでいい仕事をして次の案件に繋がったとしても、最初の単価が低いとそれを基準にされるケースは少なくありません。

クライントは当然、費用をかけたくないわけですが、安請け合いをしすぎて「貧乏暇なし」のループにハマってしまうのは得策とは言えませんので、そこは慎重な判断が必要ですね。

また、クラウドソーシングは何も自分が仕事を受けるだけではありません。仕事を依頼する側に回る事も出来るのがクラウドソーシングの大きな特徴ですので、仕事が立て込んだ時に手助けをしてくれる人を探しておく、というのも一つの活用方法です。

プロフィールやポートフォリオを充実させる

フリーランスならば自身で企画を持ち込んだり、営業をかけていく事が必須です。その際、自分がこれまでどういった仕事をして、どんな成果を上げてきたのか、という事をしっかり伝えられるセルフブランディング能力は重要です。

ここで言うポートフォリオとは、プロフィールとは別に自身の成果物をクライアントが見やすくまとめたもの。プロフィールと合わせ、自分がどんな人間で、これまでどんなスキルを身に着けてきたのか、一目で分かるような営業ツールを作る時間に充てる事も大事です。

また、Facebook、ツイッター、ブログなども広義では自身の大切なポートフォリオです。

SNSの活用は今や当たり前となっておりますので、単なるプライベート用となってないか、見直す作業も時には必要でしょう。

フリーランスのお悩み3 仕事を断ったら次が無いかも……

ヒマな時はヒマなのに、同時期にいい仕事が舞い込んでてんてこ舞い。フリーランスの方ならそんな経験が誰にでもあるのではないでしょうか。

そんな時、「売れっ子はいいな~」と能天気に思う人はほぼいません。やりたいけどどうしても時間が足りず、断ってしまったらそのクライアントからはもう仕事が貰えなくなるんじゃ……。そんな悩みと常に戦っています。

私もどうしても間に合わず3日間寝ないで仕事をしたなんて経験もありますが、特に家族を養っている方はもう体にムチを打つしかないんですよね。

これを解消する特効薬は残念ながらありません。

仕事のムラはクライアント次第。それをコントロールしようと思って出来る事と出来ない事があります。

結局は信頼関係です。どうしてもできない時は誠意をもってお断りする。お断りしたクライアントには、その後必ず自分からアプローチをして関係を繋げておく。そういった自身の行動でしか解決する事はできません。

無理をした結果、成果物のクオリティが下がり、信頼を損ねてしまっては本末転倒。自身の優先順位をしっかりと整理し、誠意をもってクライアントに対応していくのが基本となります。

一方、前項でも述べたクラウドソーシングを日頃から活用しておけば、こういった事態を未然に防げる可能性はあります。

フリーランスと言うと仕事を貰う側・する側のイメージが強い方も多いかもしれませんが、仕事が立て込んだ際には自身がクライアントとなって、信頼できる発注先を探しておくのも重要ですね。

フリーランスのお悩み4 老後の心配

移り変わりの激しいフリーランス業界において、今は順調に仕事が出来ていてもこれがいつまで続くのか。1年先、2年先というよりもっと遠い未来への不安は必ずあります。

それが老後となればなおさら。体が徐々に言う事を聞いてくれなくなるというのは、早ければ30代から実感していくものですが、これが40代、50代、60代となって今と同じようなペースで働けるわけがありません。

そんな悩みを解消するのは、小規模企業救済や経営セーフティ共済、国民年金基金などの積み立て型の保険になります。

フリーランスが強制的に徴収されている将来への保険は、国民年金しかありません。満額払っていたとしても国民年金だけではとても生活できませんので、その他の保険もしっかり活用していきましょう。

小規模企業救済、経営セーフティ共済はともに小規模企業救済等掛金控除、国民年金基金ならば社会保険料控除といった形で節税にもつながります。

自分がいつまでこの仕事を続けていけるか、仕事そのものやモチベーションは自分で獲得していくしかありませんが、便利な制度・保険を利用して、将来への不安を軽減していく事もフリーランスの大切な仕事の一つではないでしょうか。

関連記事:個人事業主・フリーランス向け保険・共済とフリーランス協会 それぞれのメリット・デメリットは?

フリーランスのお悩み5 健康への不安

フリーランスは自身の体一つで仕事をしている方がほとんど。となればケガや病気をした時に仕事が出来なくなったらどうしよう、という不安があります。

私自身、若いころはサッカーが好きでよくやっていましたが、年を取るにつれ動かなくなっていく体とケガへの不安からここのところ中々参加できなくなっています。

勿論、私のそれは自己責任の範疇ですが、交通事故や天災、不意に訪れた大病などで仕事が出来なくなってしまえば収入が途絶えてしまいます。

そんな不安を解消するのが、フリーランス協会と提携している損保ジャパン日本興亜の「所得補償制度」です。

これは、万一ケガや病気で仕事が出来なくなった際、その期間の収入を補償してくれる保険で、正にフリーランス・個人事業主の為の保険と言えます。

関連記事:フリーランス協会の保険内容を精査!所得補償とベネフィットプランの中身とは

また、所得補償制度だけでなく、フリーランス協会のベネフィットプランは健康診断や体のケアにも有効な福利厚生「Welbox」がついてきます。

フリーランスは健康管理も仕事の内。

所得補償制度やベネフィットプランを活用し、一つでも健康面への不安を取り除いていきましょう。

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